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診療科目

美容皮膚治療:トレチノイン・ハイドロキノン療法

 トレチノイン・ハイドロキノン療法は、東大式トレチノイン療法等とも呼ばれています。

 トレチノインはビタミンAの誘導体の一つで、皮膚に塗ると新しい皮膚を作らせようとします。その結果古い皮膚がもっていたメラニン色素を追い出して、気になるシミを取ってくれます。 
 しかし、東洋人ではトレチノインが生じさせる炎症に対して、新たな色素沈着をおこしてしまうことが多いので、美白剤であるハイドロキノンを一緒に塗る必要があります。

 この2種類の薬剤を効率よく塗ることで、他の方法では得られない強力な効果を得ることが出来ます。

 以下のようなシミ、色素疾患に大きな効果があります。 
○ 肝斑
 

○ 炎症御色素沈着  
○ 雀卵斑(そばかす)

 

 これらの治療は医療保険の対象外で、費用は塗る量・範囲によって個人差があります。

 お顔全体が対象になる場合、最初の2ヶ月で5万円ほどかかります。 

症例写真 肝斑

肝斑は両方の頬を中心に、境界がやや不明瞭で、地図のように茶色い色素沈着が広がって見える疾患です。

 

肝斑のある場所では紫外線などの刺激に対して敏感になり周りの皮膚より色素を作りやすい、と考えることが多いです。

 

この部位にレーザー照射をすると、現在あるメラニン色素が壊れて今あるシミが薄くなる可能性が生じますが、たいていの場合はその照射に対する刺激によって新たなメラニン色素が出来、かえってシミが濃くなる結果となるため、この部位へのレーザー照射は禁忌となっています。

 

近年、弱いレーザー照射によってこのメラニン色素を壊すトーニングという治療がおこなわれていますが、それで取れるのはごく一部分の色素で、悪化する可能性がある以上、やらない方が良いことをお伝えしておきます。

上が治療前、下が治療後です。(トレチノイン・ハイドロキノン療法3ヶ月)

治療により、古い皮膚が持っていた色素が追い出され、新しく漂白された綺麗な皮膚に置き換わった状態です。

 

通常2-3ヶ月の治療期間では、60%位の方で満足されています。

 

さらに高い効果を得るために、一度トレチノインの休薬期間を設けて、もう一度1-2ヶ月の治療をおこなうことが多いです。その場合80%以上の方が満足されています。

症例写真 そばかす(雀卵斑)

そばかす(雀卵斑)にはトレチノイン・ハイドロキノン療法はほぼ必須の治療法です。

 

トレチノインの作用で色素の量を減らし、レーザー治療における副作用である色素によって通常の皮膚が被るダメージを最小にします。

 

上が治療前、下が治療後です。(トレチノイン・ハイドロキノン療法6週間)

そばかす(雀卵斑)は、おそらく生まれつき頬から鼻にかけて、通常の皮膚にあるより多くのメラニン色素を作ってしまう病的なメラノサイトが帯状に存在することが原因です。

 

これらは白人で5歳頃、東洋人で10歳頃になると、周りの皮膚との色素の差が明らかになるため目立ってきます。

 

写真は20代前半の女性で、6週間のトレチノイン・ハイドロキノン療法で一定の効果が得られていますが、よく見るとシミの一つ一つは薄くなるか大きさが小さくなるかはしていますが、無くなってはいません。

 

このように小さく、もしくは薄くなったところでレーザー照射をして、残存ずる病的な細胞だけを破壊することが、残った皮膚にとっもっともてダメージの少ない治療法です。

 

レーザーの種類は何でもかまいませんが、トレチノイン・ハイドロキノン療法なしでは『東洋人におこりやすい色素沈着のケアができない欠点があります。